よくあるご質問

ゆでたまごについて


ゆでたまごのカラ(うす皮)がむきにくいときがあるのはなぜ?

生みたてのたまごは「ゆでたまご」に向かないといわれます。アメリカには、「ゆでたまごは一日おいてから作れ」ということわざがあるそうです。 確かに、生みたてのたまごをすぐにゆでると、白身がバサバサして舌ざわりも歯ごたえも悪く、おいしくありません。また、生みたてのたまごは、カラ(うす皮)と白身がくっついて、うまくむけないことが多いようです。 これは、生みたてのたまごの白身に「炭酸ガス」が多いためです。この炭酸ガスは、保存しているうちに殻の小さな穴から抜けていき、ある日数がたつとゆでたまごの味もよくなり、殻もむきやすくなります。 その日数は、室温保存なら二日目ぐらいから、冷蔵庫保存なら八日目ぐらいからといわれます。たまごにも「食べごろ」があるというわけです。

温泉たまごは、なぜ黄身が先に固まるの?

ゆでたまごは、白身から先に固まるのに、温泉たまごは、なぜ黄身から先に固まるのでしょうか。 たまごに熱を加えることで固まり始めるのは、まず外側からですが、その常識を打ち破った料理が「温泉たまご」です。温泉たまごは、黄味はほどよい固さですが、白身はまだトロッとしています。つまり、「シンから先に温まる」というので、「温泉たまご」と命名されたようです。 たまごのタンパク質は60~70℃で固まりますが、実は白身と黄味では、この温度に微妙な差があります。たまごの黄味と白身では、固まる温度がちがうのです。 白身が固まり始めるのは58℃ですが、80℃近くでなければ完全に固まりません。一方、黄味は65~70℃で固まり始め、この温度を保てば、ほぼ完全に固まります。 この性質を見事に利用したのが、「温泉たまご」というわけです。

ゆでたまごの黄身の表面が、黒っぽくなることがあるのはなぜ?

たまごを15分以上ゆでると、卵白のタンパク質中の硫黄(イオウ)を含むアミノ酸が熱によって分解して「硫化水素」という気体となります。これが卵黄中の鉄分と結合して、黄味と白身の間に沈着して黒っぽくなります。そして、卵黄中のカロチノイド色素と混合して暗緑色に着色します。 この変色は、高い温度で長い時間加熱するほど発生しやすくなります。 これを防ぐには、ゆでたあと、すぐに水に浸けて余熱をとればいいのです。(この暗緑色化は、たまご焼きなどでも起こることがあります) .

ゆでたまごの中心が固まっていないことがあるのはなぜ?

卵黄は、単一の同質な球状ではなく、黄色卵黄(濃色卵黄)と白色卵黄(淡色卵黄)が交互に同心円状(同心球状)になった複数の層からできています。 卵黄中心部には「ラテブラ」と呼ばれる部分があります。ラテブラの直径は約6mmあり、ビテリンという成分が含まれています。そのため、凝固温度(加熱により固まる温度)が70~75℃と、卵白や卵黄に比べて高く、たまごの中心部に位置していることから熱も伝わりにくいため、ゆでたまごを作る場合に一番固まりにくい部分となるのです。

ゆでたまごを作るときに少量の塩や酢を入れるとよいのはなぜ?

ゆでたまごにみられるように、タンパク質の凝固といえば、加熱による「熱凝固」です。これは、熱を加えていくとタンパク質分子の立体構造中の水素結合が切断されることにより起こります。水素結合が切断されることにより、「立体構造が崩れていく」と、理解するのがよさそうです。この立体構造の変形をタンパク質の「変性」と呼んでいます。 変性によってタンパク質の立体構造が崩れると、分子内部に折りたたまれていた疎水性アミノ酸が分子表面に露出します。この部分は水との親和性が低いので、その部分を介してタンパク質分子同士がくっつきあって(疎水結合)凝集します。これが凝固(固まる)という現象です。この時、変性タンパク質分子が存在する環境のpHとイオン強度(電解質の電荷状態)が熱凝固状態に多大に影響します。 食塩は溶けるとNaイオンとClイオンに電離します。特にNaイオン(陽電荷)が卵白タンパク質の負電荷を打ち消して、タンパク質の表面電荷(電気的な反発力)をなくして凝固しやすくします。 一方、食酢は茹で水のpHを酸性にすることで、卵白タンパク質の等電点付近にします。この点付近では卵白タンパク質の表面電荷がゼロになり、変性タンパク質の疎水結合により凝固しやすくしているのです。 このように「ゆでたまごを作るときに塩や酢を少量入れるとよい」のは、それぞれ加熱変性したタンパク質の分子表面から電気的反発力を打ち消して、変性タンパク分子がよりつながりやすくなるからなのです。 (監修:京都女子大学 家政学部食物栄養学科 八田 一教授)

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